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核開発を続けるイランへの制裁強化に向け、
日米両政府は18日、事務レベル協議を始めた。
とはいえ、イラン産原油輸入削減に前向きな財務省と、
イランとの対話を維持したい外務省の溝は埋まらず、
日本政府は明確な方針を打ち出せないまま。
米側は対日不信をさらに深めたに違いない。

18日来日したアインホーン米国務省調整官、
グレーザー米財務次官補は外務省で外務、財務、経済産業など
関係省庁の審議官級と約1時間半も対応を協議した。
日本側から色よい返事は得られなかったとみられ、
グレーザー氏は記者団に「日本が適切な措置を取ると確信していると
不満そうな表情を浮かべた。

安住淳財務相は12日、ガイトナー米財務長官に
「イラン産原油輸入を早い段階で計画的に減らす」と即答し、
米側を喜ばせた。

安住氏が前のめりとなった理由は一つ。
米国で昨年末、イラン中央銀行と取引のある金融機関に対し、
米銀との取引を禁じる国防授権法が成立したからだ。

日本には三菱東京UFJ銀行など
イラン中央銀行と取引がある金融機関が少なくない。
「米銀と取引禁止になれば金融パニックが起きかねない」。
そう考えた安住氏は「原油輸入を大幅削減した国の金融機関には
適用しない」とする例外規定に飛びついたのだ。

ところが、外務省には「寝耳に水」。
ある外務省幹部は「米側から『輸入削減すれば適用除外する』と
言質をとる前に削減を明言すれば
今後の交渉で不利になる」と憤りを隠さない。

日本は1979年のイラン革命後、
米国-イラン関係が冷え切った後も対話を継続してきた。
露骨に米国と同調せず、
対話を通じて緊張緩和への働きかけを強めたいとの思いがある。

しかもイラン産原油は原油輸入量の1割を占めており、
性急に輸入削減すれば産業界への影響も大きい。
イランからの輸入継続を明言している中国に利するだけだとの見方もある。

玄葉光一郎外相が安住氏の発言を制するように
「対話の道を閉ざさぬようにしたい」と繰り返すのは、
こうした事情があるからだ。
エネルギー政策を所管する経産省も外務省と同じく
性急な輸入削減には慎重だ。

ところが、藤村修官房長官をはじめ首相官邸は
今回も調整機能を一切果たさなかった。
結局、安住、玄葉両氏と枝野幸男経産相は
「削減の方向で検討する」と曖昧な表現で足並みをそろえたが、
これで米側が納得するはずもない。

米国はイラン制裁の足並みがそろわないことにいら立ちを募らせる。
米軍普天間飛行場移設問題が膠着状態に陥っていることも相まって、
オバマ米大統領が野田佳彦首相に対し、
より強硬な対応策を求める可能性は否定できない。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120119-00000085-san-pol


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