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昨年12月27日、政府は武器輸出三原則の緩和を正式に決定した。
27日の安全保障会議で議論し、閣議で報告された。

談話では、三原則そのものは維持したうえで
(1)平和貢献・国際協力に伴う案件
(2)日本と安全保障面での協力関係がある国との
   国際共同開発・生産に関する案件
について、武器(防衛装備品など)の輸出を認めることにした。

1964年4月に佐藤栄作内閣によって制定された武器輸出三原則は、
(1)共産圏諸国
(2)国連安全保障理事会(安保理)により
   武器輸出が禁止されている諸国
(3)国際紛争の当事国
への武器輸出を禁止を禁止するもので、
それ以外の諸国への日本製武器の輸出は認められていた。
1976年2月、三木武夫内閣は、武器輸出三原則による縛りを強め、
三原則対象地域以外の地域についても
憲法の精神に則り武器の輸出を慎むものとするとともに
武器製造関連設備を武器に準じて取り扱うものとした。
その結果、実質的に武器の輸出が全面的に禁止されることになった。
その後、米国との関連で武器禁輸三原則に一部の例外を設けたが、
基本的に三木政権時代に制定された、
縛りの厳しい武器禁輸三原則が適用されていた。

アジア太平洋地域で帝国主義的な勢力再編が起きている。
今回の野田政権の決定は、
国際環境の変化に応じて、三木政権時代の縛りを解いて、
制定当時の武器禁輸三原則に戻したに過ぎず、
日本が「死の商人」への道を歩み始めたという類の批判には飛躍がある。

中国が航空母艦の建造を進め、
海上覇権の獲得を目論む露骨な帝国主義政策を展開する中で、
今回の武器輸出三原則の緩和によって
日本のディーゼル潜水艦を
オーストラリアに輸出することが可能になった。
このことが持つ安全保障上の意義は大きい。
また、無人になると考えられる第七世代の戦闘機開発に
日本が米国と研究開発を進めることができるようになった意味も大きい。

日本政府の武器輸出三原則緩和に対して、ロシアが過剰反応している。

官房長官談話が発表された12月27日に、
国営ラジオ「ロシアの声(VOR)」(旧モスクワ放送)が、
「日本の親米政策が欧州MDプランにもたらすもの」と題する、
リュドミラ・サーキャン名で以下の論評を報じた。


日本はやはりと言うべきか、その政策に根本的な変更を加え、
武器輸出に関しては自主的に自らに課していた禁止措置を
部分的に解除する決定を下した。
なお禁止措置といっても、
1983年の米国からの武器・兵器の供給から、
米国との対ミサイル防衛システム(MD)構築と共同開発に至るまで、
例外は存在していた。

27日藤村修官房長官は、
武器輸出三原則に基づく禁輸政策緩和に関連して
「今回の政府の決定により、日本は国際テロリズムや海賊との戦い、
自然災害の救出復旧作業などにより積極的に参加可能となり、
この事は、国際平和と安定の強化にとって必要不可欠だ」との
安全保障会議の声明を読み上げている。

禁輸措置緩和により、
日本参加のもと共同開発されている対ミサイル防衛システムの一部を
欧州に供給する道が開ける事になる。
日本は米国と共同で、イージス艦に搭載される、
改良型海上発射巡航ミサイルSM3の一部の開発に参加している。
この改良型SM3は、米国政府の計画によれば、
欧州MDシステムの重要な部分となる見込みだ。
効力を持っていた禁輸措置により、その実現は疑問視されていたため、
米国政府は再三粘り強く、日本政府に対し武器禁輸措置解除を求めていた。

解除については、多くの政治・社会勢力が
「平和国家日本」というイメージが壊れるとして反対していた。
この問題は、平和憲法を持つ日本国民にとって
極めてデリケートなものなので、日本政府は平和共存の原則を堅持し、
国際紛争の発展を避けるという但し書きがつけられた。

ロシア戦略ミサイル軍のヴィクトル・エスィン元参謀本部長は、
VORの取材に対し次のように話している―

 「日本の参加のもと開発されている巡航ミサイルのおかげで、
 著しくミサイルの有効性が向上する。
 日本製品に対する欧州への禁輸措置の解除により、
 日本人はますます積極的にルーマニアやポーランド領内、
 さらには地中海や北極海などを拠点とする、
 船上でのMD関連施設準備に参加するようになり、
 それによって日本の先端技術が流れ込み、
 そのおかげでNATOの対ミサイル・システムの枠内で作られる、
 MDシステムはさらに完全なものとなるだろう。
 ただこうした事は、
 ロシア側の懸念を呼び起こさないではいられない。」

よく知られているように、欧州MDプランは、ロ米関係を悪化させた。
12月3日、米国のダアルダーNATO大使は
「我々は、この問題に関するロシアの意見がどのようなものであれ、
欧州におけるMDシステム構築を続ける」と明言した。
それに今回、欧州MDへの日本参加の可能性が生じた事で、
ロ日関係の緊張が強まるかもしれない。

欧州へのSM3輸出以外に、今回の禁輸緩和により日本は、
中国の軍事力の急激な増強に対抗し、軍事予算を増やすだろう。
それでなくても日本の防衛予算は
現在、世界第6位を占めているのにだ。

また武器あるいは、しかるべき技術が
どこかのホット・ポイントやテロ集団に流出したりするのを
阻止できるのかという疑問も提起されている。
例えば中日新聞などは、もし日本の兵器が
イスラエルに売却されるならば、
中東諸国と日本との関係はどうなるのかという疑問を呈している。


ロシアは、武器を重要な商品と位置づけ、
国家プロジェクトとして輸出を行っている。
そのロシアから日本が武器輸出三原則の緩和について、
とやかく言われる筋合いはない。
ただし、武器輸出三原則が
ロシアを標的としたものであるという誤解は解いておく必要がある。

「日本製品に対する欧州への禁輸措置の解除により、
日本人はますます積極的にルーマニアやポーランド領内、
さらには地中海や北極海などを拠点とする、
船上でのMD関連施設準備に参加するようになり、
それによって日本の先端技術が流れ込み、
そのおかげでNATOの対ミサイル・システムの枠内で作られる、
MDシステムはさらに完全なものとなる」という評価を
GRU(ロシア軍参謀本部諜報総局)が行い、
日本政府がロシアを標的としたMDシステム強化に貢献したいという、
意図を持っているか否かについて、探りを入れているのだ。

本件はロシアとの取り引き材料になる。
ロシアのメドベージェフ大統領は、
北方領土における軍の近代化を指示した。

エリツィン政権時代に、
北方領土から正規軍はすべて撤収し、非軍事化が達成された。
その後、北方領土に駐留するのは、
正規軍の指揮命令系統に属さない国境警備隊だけであるという状況を、
2011年にメドベージェフ大統領が変更したのである。

これに対して、日本は有効な対応ができていない。
1月末に予定されているラブロフ露外相の訪日で、
ロシア側が武器輸出三原則緩和に関連した問題を
取り上げる可能性がある。
これに対して、
日本政府が主たる脅威として認識しているのは中国であり、
ロシアとの戦略的提携が可能であることを伝えることが適切と思う。

武器禁輸三原則の緩和に対するロシアの懸念を踏まえ、
北方領土の非軍事化を実現する取り引き外交が可能になる。


http://blogos.com/article/28284/


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