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ロシアでは4日に行われた下院選の結果を受けて、
選挙のやり直しやプーチン首相の退陣などを求めて、
ソ連崩壊後では例を見ない大規模なデモの嵐が吹き荒れている。

しかし、当局の報復を恐れるロシアの国営テレビ局の中には、
直接デモを取材するのではなく、
デモを取材する海外メディアを報道するという、
おなじみの手法に打って出た局もあった。
このえん曲的な報道によって、
同国の国営テレビがプレッシャーにさらされている様子が見て取れる。

デモ開始から10日が経ったが、
1つの大きな疑問は、このデモが政治だけでなく、
12年に及ぶプーチン体制を支えてきた国営テレビに
真の変革をもたらすことができるか、ということだ。


<思いがけないヒーロー>

その答えの1つが、最大規模のデモが繰り広げられた10日に示された。
ロシア政府系天然ガス独占企業ガスプロム<GAZP.MM>傘下の国営テレビ、
NTVのベテランキャスターであるアレクセイ・ピボワロフ氏が、
モスクワの広場で行われたデモの様子を番組で報道。
前日の新聞報道では、同氏がデモを報じなければ
番組に出演しないと語ったと伝えられていた。

NTVはもともと独立したテレビ局だったが、
オーナーがクレムリンと衝突して財政難に陥った後、
ガスプロムに買収された。
その後、他の国営テレビ同様、
国家管理の下に批判的な報道を行わなくなっていった。


<デモ報道は今後も続ける>

NTVニュースのトップであるタチアナ・ミトコーワ氏は14日、
他の国営テレビ局トップらと上院議会を訪れた後、
記者団に対し、今後もデモの報道を続けるとコメント。
またNTV関係者は、デモを報道したという事実は
政治的な締め付けに対する報道局の不満を示していると語った。
ピボワロフ氏のコメントは得られていない。

また、ピボワロフ氏と話したというモスクワのベテラン記者によると、
当日の報道内容はいつものように
ガスプロムのミラー最高経営責任者(CEO)と
幹部のウラジーミル・クリスティコフ氏との
電話による話し合いで決められたという。
その際の決め手は、国営メディアグループが所有する、
カナル・ロシヤがデモを報じたことだったという。

しかし、国営テレビにとって、デモ報道はもはやタブーではない。
プーチン首相やメドベージェフ大統領は、
抗議デモが公民権を示す行為であるとも語っている。

デモの主催者の1人で
左派中道政党「公正ロシア」のメディアに関する議会委員会元メンバー、
イリヤ・ポノマリョフ氏は
「クレムリンにまず勝ち目がない状況だった。
デモの映像を放映しなければ、
収拾不可能な怒りに直面しただろう」と語る。


<それでもなお強大なプーチンの影響力>

クレムリンはデモ報道を容認することで、
モスクワで24日に予定されている次のデモが
さらに拡大するかもしれないという危険をあえて冒しているようだ。

クレムリンの元アドバイザーで
政治アナリストのグレブ・パブローフスキー氏は
「テレビ局は、一度始めたからには
デモを報道し続けなくてはならないだろう。
とはいえ、プーチンがメディアへの支配力を
失ったわけではない」と指摘する。

テレビ報道は今でも監視され、
プーチン首相を直接批判することはできないままだ。
そして、そもそも今回デモが起きた理由を
報道してはいけないという明らかなタブーが存在する。

有力週刊誌「コメルサント・ブラスチ」の
編集長だったコワリスキー氏は14日、
最新号で下院選の不正疑惑をめぐる記事を掲載したことが理由で
解任されたと語った。

同号は下院選を大きく扱い、表紙にはプーチン首相の写真と
「選挙でいかにして不正が行われたか:目撃者の証言」
などの見出しを掲載。
このほか、英国での在外投票についてのページでは、
「くたばれプーチン」と落書きされた投票用紙の写真が載せられていた。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111216-00000069-reut-int


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