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11月19日に開かれた東アジアサミット(EAS)を舞台に
展開されていた米中両国の外交戦は結局、
アメリカの圧勝と中国の完敗をもって幕を閉じた。 

焦点となっている南シナ海領有権問題にかんして、中国は最初から、
東アジアサミットでこの問題を取り上げること自体に反対しているし、
「当事国間で解決する問題だ」(温家宝首相)と言って
米国の介入を強く反対してきた。

しかし会議の全体を通して、
まさにアメリカの積極的介入と圧倒的な外交攻勢の下で、
参加国の大半(18カ国の中の16か国)が一致して
中国の拡張への懸念から「南シナ海問題」を提起し
「航海の自由と安全」を主張した。
その結果、中国の思惑と正反対に、
今回の東アジアサミットはまさしく
「南シナ海問題一色」の国際会議となってしまい、
中国の孤立だけが目立っていた。

そして、会議が採択した「東アジアサミット宣言」は
南シナ海問題を念頭に海洋安全保 障問に関して
国連海洋法条約の重要性を認識するとの内容を盛り込んだが、
それは明らかに、南シナ海のほぼ全域の
領有権を主張する中国の主張に反発して
中国の海洋覇権戦略を強く牽制したものである。

とにかくサミット会議の結果、中国はまさに四面楚歌のなかで
歴史的な敗退を余儀なくされたが、
実はこの一件にかんする中国国内の報道の仕方を見てみれば、
中国自身がこの外交的敗北から
その受けた衝撃が大変大きいなものであることが分かる。

サミット閉幕の翌日の11月20日、
中国の人民日報(朝刊のみ)は当然、一連の関連記事を掲載しているが、
その内容は実に面白いものであった。
一面にはサミット関連の記事が四本も掲載したが、
それらは全部、

「温家宝首相が東アジアサミットに出席」
「温家宝首相が中国の立場を明確に示す」

といった調子で、「温家宝首相」を主語にして
中国側の動きと発言の紹介に徹するものであった。

米国の動きやその他の参加国の主張や発言がほとんど触れずにして、
会議全体の流れにかんする説明もなかった。
あたかも東アジアサミットは中国一国だけが終始一貫活躍して
会議全体が温家宝首相の独壇場となったかのような報道ぶりである。

このような報道の中ではもちろん、各国政府が米国を中心にして
中国の主張を退けて南シナ海の自由航海を強調した事実も、
中国が会議において孤立に陥っていた事実も
完全に隠ぺいされているのである。

さらに驚くべきことに、
この日の人民日報は「東アジアサミット宣言」が
採択されたことをも意図的に隠ぺいしているのである。

上述の一面掲載の四本のサミット関連記事にはなんと、
「宣言」の「せん」の一文字もでなかった。
唯一、二面に掲載された「中国代表団スポックマンが記者に答える」
というごく短いニュースのなかでこのスポックマンの口から
「今回の会議で東アジアサミット宣言も採択された」
との一言があっただけである。

中国政府は明らかに、東アジアサミット宣言が採択された事実と
その内容をできるだけ国民の目から覆い隠そうとしている。

実際、筆者自身が調べた限りでは、
11月20日の北京時間午後1時の時点では、
中国の国内メディアのほとんどは人民日報と同様、
東アジアサミット宣言についてはいっさい触れていない。
当局からの「箝口令」が敷かれていることが明らかである。

そのことは勿論、中国政府は自分たちが東アジアサミットで
大敗を喫したことをよく心得ていることを示している。
大きな失敗だと分かっているからこそそれを覆い隠さなければならない。

しかも、それほどの徹底した隠ぺい工作の背後には、
今の胡錦濤政権は、自分たちの陥っている外交的孤立と喫した敗退が
国内で知れ渡った場合に生じてくる政治的リスクに対する危惧があろう。

「中国敗北」の認識が国内で広がると、
政権内と軍の中の強硬派からの
突き上げや反発が深刻な政治問題となる一方、
物価の上昇や不動産バブルなどの国内経済問題で
政府にたいする国民全体の失望感や不満が、
外交上の失敗によってさらに火をつけられてしまう恐れがあるからだ。

こうした中で、おそらく政府は今後、
自らの外交失敗を覆い隠しながらも
次なる外交攻勢で何とかして劣勢を挽回しょうと躍起になっていこうが、
それがうまく行くかどうか、
まさに中国政府にとっての正念場となるのである。


http://archive.mag2.com/0000267856/20111121130000000.html


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