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次の大統領選挙日まで1年を切り、
アメリカではプレジデント・レースが盛り上がり始めた。
超保守の"ティー・パーティー(茶会党)"による混乱が続く、
野党リパブリカン(共和党)を横目に、
再選を目指すバラク・オバマ大統領も10月から遊説活動を開始した。
シカゴのオバマ選挙対策本部では、
今回もハイテク技術を駆使した選挙戦を準備している。
今回は、アメリカ統領選挙の情報戦略を支える、
ソーシャル・コンピューティングを紹介しよう。


<アメリカ大統領選挙は、世界最大の情報戦>

前回の選挙でバラク・オバマ大統領は、
スマートフォンを使った募金活動やフェースブックでの討論会、
ユーチューブによるビデオ・メッセージなど、
ネットを駆使した選挙戦を展開した。
それは、過去最大の募金を集め、
政治に無関心と言われた若者から大量の票を獲得するなど、
従来の選挙キャンペーンを打ち破る画期的なものだった。

1年以上に渡る大統領選挙戦で、候補者は農家や工場、
街の集会や大手企業など多種多様な訪問や集会をこなしてゆく。
また、テレビでの討論会を含め、対立候補との公約戦が連日続く。

また、各州に散らばった選挙事務所と支持者を束ね、
対立候補の動向や刻々と変わる支持率の分析など、
大量の情報を把握し、トップから現場リーダーまでが
的確な判断をおこなわなければならない。
これはコミュニケーション分野から見れば、世界最大の情報戦でもある。

2008年のオバマ・キャンペーンでは、情報戦の秘密兵器が登場した。
それが選挙対策用ソーシャル・ネットワークの
"ナショナルフィールド(NationalField)"だ。
同システムはオハイオ州におけるオバマ氏の勝利を導いたことで、
大統領選挙を左右したと言われている。


<情報が錯綜し、無駄と混乱が渦巻く選挙事務所>

ソーシャル・ネットワークと聞くと、
読者の多くはミクシィー(mixi)やフェースブック(Facebook)、
ツイッター(Twitter)などを思い浮かべるはずだ。
そのため、ソーシャルは
「お友達との会話を楽しむ小道具」程度と認識している人も多い。
しかし、それは過小評価と言えるだろう。

アメリカの大統領選挙は、選挙活動の規模も大きい。
たとえば、前回のオハイオ州オバマ選挙対策事務所は、
給与を支払う専業スタッフが450名にのぼり、
州内9ヵ所に支援事務所を構える大所帯だった。
ボランティアなどを含めれば、
選挙活動に従事するスタッフは数千人におよぶ。
米国は日本の約26倍で、
ちょっと大きな州は日本の面積よりも大きいことを考慮すれば、
この規模は当たり前だが、それを運営することは大変だ。

そうした中、イギリスからオバマ大統領の支援に駆けつけた、
エドワード・サッチー(Edward Saatchi)氏は、
選挙事務所の状況を目の当たりにして
「情報が錯綜し、無駄と混乱が渦巻いていた。
これではコミュニケーションがうまく行くはずがない」と感じた。
そこでサッチー氏は、最新のソーシャル・ネットワーク技術を駆使した、
コミュニケーション・アプリケーションを構築した。
これが選挙対策専用の
ソーシャル・ネットワーク"ナショナルフィールド"だった。
同プログラムは、前述のようにオハイオ州の選挙戦で大活躍する。


<階層構造を持つユニークなソーシャル・ネット>

ナショナルフィールドの目的は、
スタッフ間の円滑なコミュニケーションだ。

スタッフやボランティアは、集会やインタビュー、
支持者向けのメッセージ作成など、様々なプロジェクトに合わせて、
コミュニティー・グループを形成する。
ナショナルフィールドでは、各自の進行状況が、
逐次、チャットやツイッターと同じように共有される。
電話や電子メールに比べ、ソーシャル・ネットワークは
リアルタイム性が高く、コミュニケーションの効率が高い。

また、ナショナルフィールドは、階層構造を導入している。
フェースブックやツイッターを使った方は良く分かると思うが、
一般的なソーシャルネットワークにおける情報の流通は
フラット(平)で上下関係がない。
一方、ナショナルフィールドは、
選挙戦を総括するキャンペーン・マネージャーを頂点とする、
階層構造を取り入れることで、上下間の情報の流れを作り出す。

上位に位置する人は、多くの情報を見ることができる。
つまり、トップは全体状況を的確に把握できる一方、
選挙活動の現場で働くスタッフは余計な情報に振り回される事がない。
また、階層構造により各プロジェクトチームに
「電話挨拶の回数」「戸別訪問の目標」など
具体的な指示を的確に出すことができる。

一方、支持率などの重要情報は逐次更新され、
選挙スタッフ全体に公開される。
全米でおこなわれる集会や討論会なども
ナショナルフィールドによって情報共有が進む。
これにより、末端のスタッフまで、
支持率やイベントの状況を意識しながら行動する。
何をすれば支持率があがり、何をすれば支持率に障害が出るかを
全員が共有しながら行動できる。


<2012年の選挙戦では、ビック・データを活用>

7月、データ・マイニングのオンライン業界紙KDnuggetsに
「データ・マイニング、モデリングおよび分析ができる、
管理職級の専門家を求める。
シカゴ本部で2012年11月まで仕事ができる方」という、
一風変わった求人広告が掲載された。
もちろん、このシカゴ本部とはオバマ選挙事務所のことだ。

データ・マイニングとは大量のデータを分析し、
特定のグループやルールを見つけ出す技術のこと。
最近はグーグルやフェースブックのおかげで
ビック・データという大規模なクラウド・データ・センター技術も普及し、
データ・マイニングは様々な分野で利用が進んでいる。

今回の選挙戦で、オバマ陣営は
このビック・データ/データ・マイニングを駆使しようとしている。
フェースブックのオバマ公式ページには
約2300万人のファンが登録されている。
この登録数は政界トップだが、
オバマ選挙本部はそれだけで満足しているわけではない。
前回の選挙戦ではiPhoneアプリケーションが注目を浴びたが、
今回はフェースブック・アプリ
「Obama 2012 Are You In?」を投入している。

このアプリケーションは、
オバマ大統領の選挙活動に関する情報を提供する一方、
支持者の名前や性別、生年月日、居住地、宗教、政治的信条などの
細かいデータを収集する。
また、同アプリを通じて知人や友人と共有した情報なども
オバマ選挙事務所に集まる。

データ・マイニングを専門とするコンサルタント会社TargetPoint社は、
オバマ事務所のために、この大量のデータを分析し、
それぞれの支持者にもっとも適切なメッセージを届けたり、
支持者の地域・年齢による傾向分析など、多彩な情報を提供する。

また、分析の対象はフェースブック・アプリに限らない。
同社では各種ニュースや
ソーシャル・ネットワークの書き込みなどを大量に収集し、
より有効な選挙対策を提示したり、
大きな影響力を持つ人物を特定する(インフルエンサー分析)など、
様々なサービスを提供している。


<選挙対策ツールが医療現場で活躍>

やや余談になるが、ナショナルフィールド社は、
同社のサービスを一般企業にも販売している。
最近では、大手医療保険チェーンのカイザーが、同サービスを採用した。

普通の医療保険では、病院側から料金の請求が保険会社に行く。
病院側は売上を伸ばすため、必要以上の治療や処方薬を出して、
保険会社を悩ませる。
また、保険対象外の治療や薬の処方などでトラブルが発生する。
そのため保険料が高くなる。

一方、カイザーは
医療保険と病院を一体化させたユニークな保険会社として
カリフォルニア州などで急成長をしている。
同保険の加入者は、カイザーが運営する病院に行かなければならない。
自社で病院を持つことにより、
過剰な治療や処方薬を押さえ保険料を安くする。

また、健康診断は無料で対応するなど、
予防医療を重視することで、医療出費を抑える。
ちなみに、私もカイザーを利用しているが、
その先進的な保険医療の一体経営には常に感心させられる。

カイザーがナショナルフィールドを採用した目的は、
処方や薬事情報の共有化だ。
医師や看護婦、薬剤師、専門スタッフなどが
ナショナルフィールドを使ってコミュニケーションをすると
様々な医療情報が蓄積される。
こうした情報を分析し、
特定の病気や治療法に関する対応を素早くしようというわけだ。

たとえば、伝搬性の高い病気では、
現場における情報をいち早く共有することが、
大規模な流行を押さえることになる。
また、患者の傾向によって薬の効き方が違うため、
診断情報と患者情報の照合なども今後研究する予定だ。

ナショナルフィールドは階層構造になっているため、
患者情報の機密保持などが厳格に行えるという。
選挙対策から生まれたSNSが、
いまや医療現場のコミュニケーション改革を担っている。


米国の大統領選挙は、党の統一候補を獲得する予備選で幕を開け、
統一候補が戦う本選で決まる。
与党、デモクラート(民主党)は、
対立候補がいないためオバマ大統領が事実上の統一候補となっている。
一方、野党リパブリカン(共和党)は、
ミット・ロムニー氏(前マサチューセッツ州知事)や
元レストラン経営者ハーマン・ケイン氏などが論戦を繰り返している。

党内で戦う必要がないオバマ大統領は、
共和党の候補者に的を絞って選挙戦を展開している。
各候補の人気や弱みを徹底的に分析しながら、
来年から始まる予備選挙の準備に入ったようだ。

オバマ選挙事務所の情報戦略を見ると、
日本の政治や選挙が時代遅れであることを痛感させられる。
ホームページを持っていても、
ツイッターやフェースブックを使いこなせる政治家はほとんど居ない。
それ以前に、自分でパソコンの操作さえできない方が多いと聞く。

日本の政治にとって、
ハイテク技術を駆使して一般市民や支持者の意見を収集するなど、
まさに夢の世界。
ぜひ、オバマ選挙事務所を見習って欲しいものだ。


http://gendai.ismedia.jp/articles/-/27133


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