HOME   »   スポンサー広告  »  スポンサーサイト情報:米国  »  日本からスタートしたのにわずか1年で中国・インドに持っていかれてしまったエール大学の「次世代リーダー交流」 米名門の力の源泉はネットワーク力
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<実は日本から始まっていたエール大グローバル化>

アメリカの大学の強さは研究や教育だけではない。
ネットワーキングの力も強大である。
ネットワーキング力でエール大のグローバル化が勢いを見せている。
17年間、総長の座に君臨するリチャード・レビン氏、
そしてリンダ・ロリマー副総長のコンビが素晴らしい仕事をしている。
一言でいえば「エール大学は
世界の次世代リーダーにツバをつけている」のだ。

実は発端は日本だった。
理由はレビン総長とのパーソナルなつながり。
川口頼子元外務大臣が
レビン総長のエール大院でのクラスメートだったのだ。
その関係で、Yale Government of Japan Leadership Programが
スタートしたのだ。
時は2006年。
日本の国会と政府の将来幹部をエール大人脈に取り込む試みだ。

川口頼子参議院議員を筆頭に、
私も含めた当時の与野党の衆参議員5名、
各省庁から中堅幹部クラス9名、
メディアから編集委員クラス2名の計16名がエール大学に招かれた。

プログラムは二週間。
最初の一週間はニューヘイブンにあるエール大キャンパス滞在。
ここでエール大が誇る教授たちと
グローバルなイシューについて自由討論形式で議論。
メンバーがすごかった。
行動経済学の大家ロバート・シラー教授、
日本政治研究の第一人者フランシス・ローゼンブルース教授、
二兆円を超えるエール大の基金運用を担当する、
ディビッド・スウェンソン氏ら。
他にもメディカルスクールやロースクールから
医療政策や資本市場法制の大家が登場。
レビン総長自身も毎回教室に登場し、
われわれとともに自由討論を楽しんだ。

議員も官僚もマスコミ人も立場を離れ学生に戻った気分で、
英語で遠慮なく議論。
永田町では、政治家と官僚が
思い切り本音で議論する機会はほとんどない。
加えてメディアの人間も加わっての自由討論などまず存在しない。
英語でしかも気さくなアメリカの大学教授が混じっていることもあって、
議論に花が咲いた。
論説委員や財務官僚や外務官僚と国家を思い、
本音で議論した体験はかけがえのないものであった。

壮大なスケールの美術館や博物館等、
エール大の持つ豊富な資産もすみずみまで見せてもらいリフレッシュ。


<米大学ネットワークは莫大な外交資産>

二週間目は場所をワシントンDCに移す。
エール大は最も多くのアメリカ大統領や
連邦政府高官を輩出している大学である。
そのネットワークでワシントンにいる議員や政府高官たちと意見交換。
外務官僚も「日本政府ではこれだけのメンバーにアポイントを取れない。
エール大学のおかげで我々が普段会えないような人物にも会えた」と
感激していたのが印象的だった。
逆に私は、通常の政府間ルートに加えて、
アメリカの名門大学のネットワークという、
別のルートを持っていくことは外交上大きな意義があると思った。

最後の夜は、
現日本プロ野球コミッショナーである当時の加藤良三駐米大使が
エール大側とわれわれ日本側の参加者をねぎらう、
夕食会を開催してくれた。
この加藤前大使もエール大の出身である。

エール大のネットワーク力を支えるのが、レビン総長だ。
胡錦濤やビル・クリントンを電話一本で卒業式に呼んでくる。
その他、オバマ大統領からブッシュ親子まで
電話一本で連絡を取りあえる。
もちろん、アメリカ人の母校愛の高さが
背景にあるのはいうまでもないが。
また、レビン総長は経済学者としても一流だ。
昨秋にはオバマ大統領の経済顧問の候補の一人に上がったほどだ。

残念ながら、この日本政府とエール大とのプログラムは
06年の1回きりだった。
理由は多様。
まず、議員や官僚の日程がつかなくなった。
今の国会や政府の仕組みや状況では、二週間にわたり、
議員や中堅幹部官僚の日程を開けることが困難である。
次に不況の日本では
名門とはいえアメリカの一大学と政府との連携に
お金を出してくれるスポンサーがなかなか見つからなかったからだ。

初年度はエール大の好意で多くの費用を彼らが負担したが、
二年目からの継続条件は日本側スポンサーを探すことだった。
第一回の参加者であるわれわれが
その意義と価値を議会や政府や財界に説得して回ったが、
残念ながら理解されるには至らなかった。


<日本とは中止し、中国インドとの交流を開始>

入れ替わりに始まったのが中国政府、インド政府とのプログラムだ。
中国やインドから与党や政府の次世代エースが
エールに送りこまれている。
同じように一週間オン・キャンパスでの議論、
二週目にワシントンで議員や政府高官と交流している。

インドや中国とのプログラムは、
両国のグローバル企業中心に
スポンサーは断らねばならないくらい見つかり、以来毎年継続している。
議会も政府もエール大との交流の意義を理解し、
議員や官僚に機会を与えている。
中国やインドとのプログラムは、日程も安定しているので
大統領や国務長官との懇談も実現しているという。

リンダ・ロリマー副総長によると
「今後は中東、ロシア、ブラジルの議会・政府と
同様のプログラムを開始する」とのこと。
「世界中の将来リーダーにエール大を経験して、
エールのネットワークと触れ合って欲しい」と意気込む。
「もちろん日本政府とのプログラムを再開する準備は
いつでもできている」と最後に加えてくれた。


<将来のリーダーにつばを付ける意義>

エール大は、各国ごとの政府や議会との提携に加え、
国をまたいだ次世代リーダーの取り込みにも力を入れている。
今年で10年目を迎えるエール・ワールド・フェロー制度である。

これは、エール大が
「世界を変えるリーダーになると見立てて選抜した、
世界中の各分野の若手リーダー」を
8月下旬から12月下旬までの4か月間、
エール大が全額負担してキャンパスに招待して研修をするプログラムだ。

前半は各学部の名物教授たちと自由討論をしながら、
法律や経済や政治学の基礎的なフレームワークを身に着けさせる。
後半は講演会やパネルディスカッションに登場させ、
学生や研究者や卒業生ネットワークと交流させる。

エール・ワールド・フェローに選抜される一つの条件に
おもしろいものがある。
それは“エール大の卒業生ではないこと。”
つまり、エール大出身でない将来リーダー候補生を
エール大のネットワークに入れてしまおうという取り組みなのだ。
したたかである。

ワールドフェローの横顔は多彩だ
・ロシアで少数株主の権利保護を訴え続ける活動家
・インド最大の紅茶栽培企業の女性オーナー
・アフガニスタンで初等教育へのアクセス改善にはげむ運動家
・中米で雇用拡大に励む社会起業家
・中国の米系コンサルティング企業の代表

過去10年のフェローの中で政界入りして台頭するものもいるし、
成功しグローバル化する起業家もいる。

大学として
世界の次世代リーダーにツバをつける意義はなんであろうか?
1・大学のネットワークの拡大
2・交流による学者の実学力向上
3・将来リーダーの子弟の教育機会獲得
4・学生への多様な刺激

エール大学にとって、世界の将来リーダーが一時でも大学で学び、
大学のネットワークと触れ合う意義は大きい。
教員も学生も異国で奮闘する若いリーダーたちと
触れ合うことで大きな刺激を受ける。
なんといっても、確率的に
将来国やグローバル企業やメディアのリーダーになる人物も多いので、
若いうちにツバをつけておけば、何かと大学の役に立ってくれるだろう。
また、そういう人物が
その子弟をエール大学で教育したいと思ってくれれば、
大学側にとってもあらたなリーダー育成の連鎖が始まることになる。

参加者から見れば、
自国の大学や政府にはできない体験とネットワークを
用意してくれるエール大学の招待に乗らない手はない。
そのうち、世界中のリーダーの大半は
「エール大出身」を名乗ることになるのではないか。
それはエール大のさらなる成功にとって大きな意義を持つことである。
本当にしたたかであり、
どんどんしたたかになれるだけの財産を持っているところは
うらやましい限りだ。


http://gendai.ismedia.jp/articles/-/23121


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