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福島第1原発事故のあおりで国内の原発運転継続に暗雲が垂れ込める中、
天然ガスへの関心が高まっている。
なかでも注目されるのが「シェールガス」。
液化天然ガス(LNG)と同成分だが、存在する地層が違うため、
「非在来型LNG」と言われ、回収技術が近年、急速に進歩した。
特にその生産で先行する米国から日本に輸出される可能性が高い。
LNGの「価格破壊」の期待も含め、「シェールガス革命」は、
原発事故に見舞われた日本、そ して世界の救世主なのか。

福島の事故を受け、日本各地の原発が検査時期を迎えて次々停止し、
来年春までに国内の全原発が止まる可能性がある。
その代替火力発電の燃料として 電力各社がLNG確保に走った結果、
燃料費は、東電だけで年間1兆円、
全電力会社で年間2兆円膨らむとされる。


■採取技術の進歩で米国やカナダで開発進む

そこでシェールガスは、
環境とコストの両面から注目されているわけだ。

LNGは、石炭や石油など他の化石燃料と比べ、
二酸化炭素(CO2) の排出量が少ない。
運転中にCO2を排出しない原発には及ばないが、
温暖化防止の観点から石油より優位。シェールガスもこの点は同じだ。

コスト面は従来のLNGより優位だ。
地下から採取される天然ガスの多くは
やわらかくて掘りやすい砂岩にたまっているのが一般的で、
井戸を掘って採取する。
シェールガスは地下の固い頁岩、
(けつがん=シェール)層に存在していて、
世界各地の地下に存在することは以前から知られていたが、
採取が難しく、放置されてきた。

このシェール層からガスを効率よく採取する技術が近年、急速に進歩し、
米国やカナダなどで開発が一気に進んだ。
これでLNG市場の需給が緩んだ。
米国内のガス価格は、2005年には
天然ガス売買の単位である、
100万BTU(英国熱量単位)当たりで9ドル近かったが、
2009年以降は3分の1程度の3~4ドルに急低下。

米国は、エネルギー安全保障の観点から
自国産エネルギーの輸出を原則として禁じている「閉鎖市場」だが、
2015年以降にLNG輸出が解禁されるといわれ、
世界のLNG相場は中長期的に低下していくと見られている。

ちなみに、
日本が輸入しているインドネシアやオーストラリアなどのLNGは、
20年間の長期安定供給などが保証される契約だが、
価格は原油価格 と連動するため、
現在の価格は100万BTU当たり13~16ドルと米国内の4倍程度。
日本がシェールガスを輸入できれば、
原発とLNGの発電コスト差は一気に縮む。


■採掘に伴う環境破壊がネックになるのか

米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)の
レポート(2011年4月)によると、
世界32カ国で技術的に採掘可能なシェールガスの埋蔵量は
6,622兆立方フィート。

国別では
(1)中国(1,275兆立方フィート)
(2)米国(862兆立方フィート)
(3)アルゼンチン(774兆立方フィー ト)
(4)メキシコ(681兆立方フィート)
など(日本は地質年代が新しいため、
商業規模で生産することは難しい)。

今後、中国など途上国や欧州なども開発に力を入れるのは確実で、
「シェールガス時代到来」とはやす向きもある。

ところが、ここにきて、期待に水をさす声が広がっている。
理由は採掘に伴う環境破壊だ。

問題はシェールガスの掘削法。
米国など採用されている水圧破砕法は、
水を圧入し、岩石がひび割れるまで圧力を高め、天然ガスを放出させる。
破砕層の安定のため、砂と化学薬品も注入する。
ガスは岩石から押し出され、地表のガス井から改修される仕組みだが、
メタンなどの成分が地中へと拡散し、
周辺の土壌や地下水、河川の水などを汚染する可能性がある。
米国では一部採掘現場近くで、「火が付く水」が問題になっている。

採掘の際に大気中にメタンガスが漏れ出るのも難点だ。
シェールガスは漏れなく回収できるわけでなく、
通常で3分の1、場合によっては回収されるガスの2倍が
大気中に放出されていると言われる。
メタンの温室効果はCO2の21倍で、地球温暖化を深刻化させる恐れがある。

専門家は「本格的に世界のエネルギーの柱に育てるためにも、
環境問題をクリアする必要がある」と、安易な期待を戒めている。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111012-00000000-jct-bus_all


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