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「オマハの賢人」の異名をとる米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が、
持論である高額所得者への増税を米メディアで訴え、
論争を巻き起こしている。

世界屈指の大富豪である同氏の昨年の所得税率は17.4%で、
バフェット氏と同じオフィスで働く20人(33~41%)より
はるかに少ないというのだ。

政府債務上限引き上げ問題では共和党が増税阻止を死守したが、
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスも、
かねてから「ブッシュ減税(ブッシュ前大統領時代の、
特に富裕層を対象にした減税)」の延長は
財政赤字にとってマイナスと分析していた。
8月2日、同社が米国債の格付け維持を発表した際にも、
来年末で失効する同減税の行方を
格下げ判断の基準のひとつにすると警告している。

こうした状況下だけに、バフェット氏の発言は大きな話題を集めている。
バフェット氏の所得税率が低いからくりは、
収入の多くが配当やキャピタルゲインだからだが、富裕層への増税は、
財政赤字解消に期待するほどの効果をもたらさないという指摘もある。

とはいえ、ブッシュ減税延長の是非はともかく、長引く不況のせいで、
米国の「格差大国」度に拍車がかかっていることだけは確かである。
ニューヨークに本拠を置く世界最大の会計事務所デロイトが
今後10年にわたる世界の富の成長を予測した、
調査結果(今年5月発表)によれば、
世界25カ国・地域の富豪世帯が所有する92.26兆ドルのうち
38.6兆ドルを米国の大富豪が占めている。

英ジャーナリストで、ベストセラー、
『Treasure Islands: Uncovering the Damage
of Offshore Banking and Tax Havens』
(宝島――オフショア金融とタックスヘイブンによる損害を暴く)の
著者としても知られるニコラス・シャクソン氏は、
現在、世界の富裕層などがタックスヘイブン(租税回避地)を利用して
オフショアに保有する資産を10~20兆ドルとみるが、
米独立系調査報道ジャーナリスト兼作家のデービッド・デグロウ氏は、
上記38.6兆ドルを所有する米富裕層が、
全オフショア資金のうち6.3兆ドルを占めると、
自身のオンラインリポート(8月10日付)で指摘する。
つまり、米国トップ0.1%の超富裕層が、
国内外に約46兆ドルの富を抱えている計算だ。

これだけでも驚嘆する額だが、
デロイトは、米富裕層の富が2020年までに225%アップし、
87.11兆ドルに達すると分析する。
オフショア資金のほうは、今後10年間で100兆ドルを超える見込みだ。
ちなみにデロイトの調査結果では、日本の富裕層が米国に続いており、
現在、10兆ドルの資産は2020年までに約19兆ドルに膨らむものと予想される。
目下、1.67兆ドルで12位につける中国富裕層は、
20年までに8.24兆ドルを手にし、7位に浮上するとみられている。

米経済誌『フォーブス』(7月25日付電子版)によると、
米国の富豪トップ400人は、1995年の時点で、
年収の30%に相当する所得税を米国税庁(IRS)に納めていたが、
今では平均18%にダウンしたという。
主な理由は、言わずもがな、03年のブッシュ減税導入によるものだ。
長期キャピタルゲイン税率が20%から15%に、
配当税率が35%から15%にカットされたことが追い風となり、
03年秋から4年にわたって、米株式市場では上げ相場が続いた。

米国の台所事情が悪化している背景には、
不況による税収減や大型景気刺激対策があるのはもちろんだが、
大企業からの税収減も影響しているかもしれない。

米会計検査院(GAO)によれば、米企業の3分の2が、
1998年から2005年にかけて連邦所得税を納めていないという。
タックスヘイブンへの資本移転や
生産拠点の海外への移動などのせいである。
また、1955年に連邦政府の歳入の27%以上を占めていた法人税は、
昨年には9%以下に激減した。

翻って、米国の中流層や低所得層の苦境ぶりは鮮明だ。
米民間世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが
7月26日に発表した調査結果では、
米国の全世帯の2割に当たる約6200万人が、09年時点で、
資産ゼロか負債を抱えていることが明らかになった(05年には15%)。

フードスタンプ(低所得者層向けの食料配給券)受給者も
依然として増え続けており、今年5月時点での受給者数は
全米で約4580万人と、前年同月比で12.1%増を記録した。

ニューヨーク州では、
約302万人が、政府の援助なしには食事にも事欠く状況だ。
わずか6年前には、全米で
2570万人しか助けを必要としていなかったことを考えると、
貧困化が急ピッチで進んでいることが分かる。
8月2日に成立した財政赤字削減策の下で社会保障費がカットされると、
貧困率(09年時点で14.3%)が倍になるという調査結果も出ている。

「車社会」米国の庶民にとって、
08年末以来125%急騰したガソリン代も大きな負担だ。
人事担当者を対象とした米キャリア情報誌『ワークフォース』によれば、
運転の頻度を減らした人が63.4%もいるという。

伸び悩む年収と物価高を乗り切るために
「必要な物しか買わなくなった」米国人が70.5%、
複数の店を比べて少しでも安い物を買うよう努めている人が53.1%、
家計の予算を死守する人が50%、
食費を抑える人も42%という高率に達している。

米国では、いまだに、誰でも頑張れば
いつかは成功できるという「アメリカンドリーム」の神話が根強い。
以前、知り合いの米男性知識人に、
米国は理想と現実で成り立っている国だと言ったら、
「たとえ数パーセントでも希望があるかぎり、米国人は夢を見続ける」
と反論され、たじろいたことがある。

失業保険も失効し、
家賃をクレジットカードで支払い、医療保険にも入れず、
膨らむ借金と背中合わせに生きる人たちには、
はたして彼の言葉がどう響くだろうか。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110819-00000011-wsj-int



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