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2007年秋、ポスト胡錦濤の人事が明らかになった17回大会、
(中国共産党第17回全国大会)の直前レポートで、
私は習近平、李克強、汪洋の3人がその候補であることを予測した。
そして人事の予測と同時にポスト胡錦濤の時代の中国が
「党内の争いなどではなく台頭する民意に対して
共産党の正統性をどう守るのかが最大のテーマ」となるだろうと書いた。

ポスト胡の候補に汪洋を含めたことは間違いだったが、
結果的に全メディアが習近平をノーマークであった
(わずか共同通信が1日前に正確に言い当てている)
事情を考慮すれば十分及第点だろう。

そしてもう一つの予測、共産党が直面する最大のテーマという点は、
まさに今回の高速鉄道事故後に高まった民意に
権力が素早く対応せざるを得なかった姿こそ、
私の指摘した未来である。


だが、誤算がなかったわけではない。
それはメディアがこの事故で果たした役割だ。

高速鉄道の事故後、中国の各メディアが従来のスタンスとは異なり、
常に被害者とその後ろにある民意の視点から
問題を追及する姿勢を見せてきたことは、
日本でも大々的に報じられた通りだ。
極めつけは、広東省の『南方都市報』が鉄道省に対し
「くそったれ(他媽的)」との表現を使った記事を掲載したことだ。

これは香港の『萍果日報』が最初に使用したのに続いて
『南方都市報』が使ったものだが、雑誌『財経』が直ちに支持を打ち出し、
その後も上海『青年報』や『銭江晩報』が続くという、
広がりを見せたのである。
すでに党中央宣伝部が報道規制に乗り出した後のことだけに
挑発的な行為だ。

これ自体驚くべきことだが、私が注目したいのはここではない。
というのも『南方都市報』は過激な報道では定評のある有名な、
『南方週末』と同じ南方報業グループに属するメディアで、
これに続いた『財経』もまた同じようなスタンスのメディアだからだ。
その意味では、これまでも何度か一線を踏み越え、
その度に責任者が処分され、
また元通りということを繰り返してきたメディアだからだ。


だが今回注目すべきは、
やはりCCTVや新華社といった共産党の代弁者と目されてきた、
“お堅いメディア”までもが変化を見せたことだ。
CCTVに至っては女性アナウンサーが
事故の遺族の話題に触れて泣き出すというハプニングも見せ
騒ぎになった。

新華社は、党中央宣伝部がメディアコントロールに乗り出すとき、
「新華社の記事を使用するように」と支持を出すことでも明らかなように、
党中央から見て最も模範的なメディアだ。

その新華社も、実は7月24日付新華ネットでは
非常に気になる記事を載せている。
記事には〈鉄道技術者は、なぜ中国の高速鉄道に乗りたがらないか〉と、
ぎょっとするタイトルが付けられているのだ。

記事の内容は、鉄道建設の工期さえ
リーダーの都合でころころ変わることの危うさを
インタビュー形式で描いたものだが、
衝撃的なのは匿名インタビューを受けたその技術者が
高速鉄道には「(怖くて)乗れない!」とはっきり答えていることだ。

新華社はさらに、事故の原因調査に関する報道で、
〈鉄道部が事故数時間後に
信号設備の欠陥であることを把握したにもかかわらず公表を避けていた〉
問題をなんと“独自調査”によって暴きだしているのだ。
この動機は言うまでもなく、民意の要求に応えるためだ。

もっとも、とはいっても
現状はまだ党中央と鉄道省をきっちり区別した上で行っている、
“当局批判”であって、党中央と直接対決の構図は描いていない。
つまり彼らが普段、地方幹部の汚職を徹底追及する構図と
それほど変わりないのだが、
そこには中央の鉄槌を巧みにかわしながら
民意と言う新たな権力へと体重を移し始めたメディアの
したたかさも透けて見えるのだ。

これは来るべき
商業ジャーナリズムの本格的な幕開けに備えた動きであり、
同時に政権が正当性を失った場合にも生き残るための
保険料を払い始めたと解することができる。

もちろん共産党の結党から存在する宣伝部は、それほどヤワな組織ではなく、
「秋後」(騒ぎが一段落したころ)には必ず失地回復を果たすだろう。

だが、今回の件で
民意と既存メディアがキャッチボールをしながら権力と対峙し
“一線を超えた記憶”は、
民意の可能性を人々の脳裏に深く刻むこととなった。

おれたちも団結して騒げば共産党も配慮せざるを得ない――。

人々がそのことを深く意識していることは、
事故発生からしばらくして流れたこんな笑い話のなかからも
読み取ることができる。

笑い話は、高速鉄道事故で世論が大騒ぎしていることを受け
北京で開かれた架空の対策会議の室内の場面から始まる。
まず、発言するのはリーダー(おそらく国家主席を意味している)だ。

 「みなの意見を聞きたい。
 世間は高速鉄道の事故で大騒ぎだ。
 なんとか世論の目を逸らしたいのだが、何か方法はないだろうか?」

 発展改革委員会代表
 「そうですね、じゃあもう一度、
 ガソリン価格の引き上げでも発表しましょう」

 共産党中央宣伝部
 「われわれは、すべての記者を
 ノルウェー(大量殺人が起きた)に派遣しましょうか?」

 国家品質管理局
 「(高級ブランド家具の産地偽装で問題になった)
 ダヴィンチのような企業をもう一つ見つけて摘発しますか?」

 鉄道部長
 (少し考えてから)「どうしてもだめなら、
 私が自分の女性問題でも告白しますよ……」

 高級法院(高等裁判所)
 「雲南省の判決(殺人罪で死刑判決が下されたのを
 強引に執行猶予に切り替えて世論の反発を招いた)
 をもう一度死刑にもどしてやるか」

 国防部
 「もう一隻別の空母があることでも公表しよう。
 それとも南シナ海で大砲でもぶっ放すか?」

 外交部
 「いやいや、だったら
 頼昌星(共産党幹部も絡んだとされる中国最大の密輸事件の容疑者で、 
中国がずっとカナダに返還を求めていて、今年やっと念願がかなった)
 をカナダに送り返してやりましょう」

事故をきっかけに世論が沸騰したことを権力側が恐れ、
対策に躍起になっていることを世論の側が正確に把握し、
しかも中国の権力が置かれるポジションを正確に描いている笑い話だ。

それにしてもこうして並べてみると、何と難題の多い国なのか。


http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1448


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