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3月4日の大統領選まで1週間となったロシアで、
最有力候補のプーチン首相(前大統領)が
次期政権で国防費を増加させ、
米欧に対抗して軍拡路線をとる方針を鮮明にしている。

プーチン氏は各種の社会支出を増やすバラマキ政策の約束や、
“外敵”に対する団結を訴える「愛国主義」で支持率を上昇させており、
第1回投票で過半数を得票して当選を決める可能性が高い。


プーチン氏は最近の国営新聞への寄稿で
「ロシアや同盟国の国境間近で
紛争を挑発しようとの意図的な試みがある」と主張。
今後10年間に23兆ルーブル(約62兆円)を支出して
兵器近代化を急ぎ、米国のミサイル防衛(MD)計画にも
対抗していく考えを改めて示した。

また「北極と極東での海軍力強化」を重点課題に掲げ、
日本から近いカムチャツカ半島には
核ミサイルを搭載可能な
最新型のボレイ級原子力潜水艦を配備することを明らかにした。

プーチン氏は最近の演説で「われわれは内政干渉を許さない。
ロシアをめぐる(外国との)戦いは続いている」などと
「愛国主義」を鼓舞。
軍需産業への支出に加え、公務員給与の大幅引き上げや
年金の増額など大盤振る舞いを約束している。

専門家の試算では、
ロシアの国防費が国内総生産(GDP)に占める割合は
現在の約3%から5~6%に上昇する見通し。
独立系世論調査機関によると、
プーチン氏は地方や国営部門を中心に支持率を66%まで伸ばしている。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120226-00000059-san-int



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3月4日のロシア大統領選で
プーチン首相(前大統領)の当選が確実視されているのに伴い、
ロシアが人口の希薄な極東・東シベリアの開発や
アジア・太平洋諸国との関係強化といった、
「東方」重視の政策に舵を切っている。

中国との勢力バランスを保ちつつ、
「ユーラシアの大国」として国際社会での存在感を増す戦略だ。
ただ、これが次期政権との北方領土交渉を容易にするわけではない。

 
露主要紙によると、経済発展省は
極東の沿海地方などで耕作の行われていない農地計100万ヘクタールを
外国投資家に長期貸与することを計画。
日本や中国、北朝鮮、韓国、ベトナムなど
アジア・太平洋諸国の誘致が念頭に置かれており、
9月にウラジオストクで開催される、
アジア太平洋経済協力会議(APEC)で各国に提示する考えだ。

プーチン氏の信頼が厚いショイグ非常事態相を中心に、
極東・東シベリアの開発を担う国策会社を設立する構想も練られている。

外交面ではラブロフ外相が1月末以降、
今年初の外遊として日本を振り出しに
オーストラリアやニュージーランドなどを歴訪し、
アジア・太平洋地域を重視する姿勢を鮮明にした。
ロシアは東南アジア諸国連合(ASEAN)との
自由貿易協定(FTA)締結を目指している。

こうした「東方」政策の根底には、世界をブロック単位でとらえ、
その勢力バランスを重視するプーチン氏の国際政治観がある。

ロシアではソ連崩壊後、極東・東シベリアの産業が衰退し、
この地域は激しい人口流出に見舞われた。
隣接する中国との発展格差は開く一方で、
これが潜在的脅威と映っている。
また、欧州経済が不調にある中で、アジア・太平洋諸国は成長著しい。

中国以外のアジア・太平洋諸国と関係を深め、
その協力も得て国土をバランスよく発展させることが、
世界の「極」の一つとして生き残る戦略というわけだ。

ロシアは初の議長国を務める9月のAPECを
「東方」路線の象徴的イベントと考えており、
プーチン次期政権はその成功のためにも
対日関係の改善に動くとみられている。

ただ、これが領土交渉に弾みをつけると考えるのは早計だ。
プーチン氏は前回の大統領期、
平和条約の締結後に歯舞、色丹両島を引き渡すとした、
日ソ共同宣言(1956年)を有効だと確認。
しかし、四島返還を国是とする日本と
「2島」で幕を引きたいプーチン政権の距離が埋まらず、
交渉は進展しなかった。

また、メドベージェフ大統領が
2010年11月に国後島訪問を敢行して以降、
ロシア側は領土問題が存在しないかのような言説を繰り返し、
立場を後退させた。
メドベージェフ氏は
大統領復帰後のプーチン氏が交渉を優位に進めるための
“地ならし”を行ったともいえ、前途は多難だ。

ロシアの都市部で反プーチン機運が高まっていることも、
次期政権に領土問題での譲歩を難しくさせる要因となっている。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120207-00000604-san-int


昨年12月27日、政府は武器輸出三原則の緩和を正式に決定した。
27日の安全保障会議で議論し、閣議で報告された。

談話では、三原則そのものは維持したうえで
(1)平和貢献・国際協力に伴う案件
(2)日本と安全保障面での協力関係がある国との
   国際共同開発・生産に関する案件
について、武器(防衛装備品など)の輸出を認めることにした。

1964年4月に佐藤栄作内閣によって制定された武器輸出三原則は、
(1)共産圏諸国
(2)国連安全保障理事会(安保理)により
   武器輸出が禁止されている諸国
(3)国際紛争の当事国
への武器輸出を禁止を禁止するもので、
それ以外の諸国への日本製武器の輸出は認められていた。
1976年2月、三木武夫内閣は、武器輸出三原則による縛りを強め、
三原則対象地域以外の地域についても
憲法の精神に則り武器の輸出を慎むものとするとともに
武器製造関連設備を武器に準じて取り扱うものとした。
その結果、実質的に武器の輸出が全面的に禁止されることになった。
その後、米国との関連で武器禁輸三原則に一部の例外を設けたが、
基本的に三木政権時代に制定された、
縛りの厳しい武器禁輸三原則が適用されていた。

アジア太平洋地域で帝国主義的な勢力再編が起きている。
今回の野田政権の決定は、
国際環境の変化に応じて、三木政権時代の縛りを解いて、
制定当時の武器禁輸三原則に戻したに過ぎず、
日本が「死の商人」への道を歩み始めたという類の批判には飛躍がある。

中国が航空母艦の建造を進め、
海上覇権の獲得を目論む露骨な帝国主義政策を展開する中で、
今回の武器輸出三原則の緩和によって
日本のディーゼル潜水艦を
オーストラリアに輸出することが可能になった。
このことが持つ安全保障上の意義は大きい。
また、無人になると考えられる第七世代の戦闘機開発に
日本が米国と研究開発を進めることができるようになった意味も大きい。

日本政府の武器輸出三原則緩和に対して、ロシアが過剰反応している。

官房長官談話が発表された12月27日に、
国営ラジオ「ロシアの声(VOR)」(旧モスクワ放送)が、
「日本の親米政策が欧州MDプランにもたらすもの」と題する、
リュドミラ・サーキャン名で以下の論評を報じた。


日本はやはりと言うべきか、その政策に根本的な変更を加え、
武器輸出に関しては自主的に自らに課していた禁止措置を
部分的に解除する決定を下した。
なお禁止措置といっても、
1983年の米国からの武器・兵器の供給から、
米国との対ミサイル防衛システム(MD)構築と共同開発に至るまで、
例外は存在していた。

27日藤村修官房長官は、
武器輸出三原則に基づく禁輸政策緩和に関連して
「今回の政府の決定により、日本は国際テロリズムや海賊との戦い、
自然災害の救出復旧作業などにより積極的に参加可能となり、
この事は、国際平和と安定の強化にとって必要不可欠だ」との
安全保障会議の声明を読み上げている。

禁輸措置緩和により、
日本参加のもと共同開発されている対ミサイル防衛システムの一部を
欧州に供給する道が開ける事になる。
日本は米国と共同で、イージス艦に搭載される、
改良型海上発射巡航ミサイルSM3の一部の開発に参加している。
この改良型SM3は、米国政府の計画によれば、
欧州MDシステムの重要な部分となる見込みだ。
効力を持っていた禁輸措置により、その実現は疑問視されていたため、
米国政府は再三粘り強く、日本政府に対し武器禁輸措置解除を求めていた。

解除については、多くの政治・社会勢力が
「平和国家日本」というイメージが壊れるとして反対していた。
この問題は、平和憲法を持つ日本国民にとって
極めてデリケートなものなので、日本政府は平和共存の原則を堅持し、
国際紛争の発展を避けるという但し書きがつけられた。

ロシア戦略ミサイル軍のヴィクトル・エスィン元参謀本部長は、
VORの取材に対し次のように話している―

 「日本の参加のもと開発されている巡航ミサイルのおかげで、
 著しくミサイルの有効性が向上する。
 日本製品に対する欧州への禁輸措置の解除により、
 日本人はますます積極的にルーマニアやポーランド領内、
 さらには地中海や北極海などを拠点とする、
 船上でのMD関連施設準備に参加するようになり、
 それによって日本の先端技術が流れ込み、
 そのおかげでNATOの対ミサイル・システムの枠内で作られる、
 MDシステムはさらに完全なものとなるだろう。
 ただこうした事は、
 ロシア側の懸念を呼び起こさないではいられない。」

よく知られているように、欧州MDプランは、ロ米関係を悪化させた。
12月3日、米国のダアルダーNATO大使は
「我々は、この問題に関するロシアの意見がどのようなものであれ、
欧州におけるMDシステム構築を続ける」と明言した。
それに今回、欧州MDへの日本参加の可能性が生じた事で、
ロ日関係の緊張が強まるかもしれない。

欧州へのSM3輸出以外に、今回の禁輸緩和により日本は、
中国の軍事力の急激な増強に対抗し、軍事予算を増やすだろう。
それでなくても日本の防衛予算は
現在、世界第6位を占めているのにだ。

また武器あるいは、しかるべき技術が
どこかのホット・ポイントやテロ集団に流出したりするのを
阻止できるのかという疑問も提起されている。
例えば中日新聞などは、もし日本の兵器が
イスラエルに売却されるならば、
中東諸国と日本との関係はどうなるのかという疑問を呈している。


ロシアは、武器を重要な商品と位置づけ、
国家プロジェクトとして輸出を行っている。
そのロシアから日本が武器輸出三原則の緩和について、
とやかく言われる筋合いはない。
ただし、武器輸出三原則が
ロシアを標的としたものであるという誤解は解いておく必要がある。

「日本製品に対する欧州への禁輸措置の解除により、
日本人はますます積極的にルーマニアやポーランド領内、
さらには地中海や北極海などを拠点とする、
船上でのMD関連施設準備に参加するようになり、
それによって日本の先端技術が流れ込み、
そのおかげでNATOの対ミサイル・システムの枠内で作られる、
MDシステムはさらに完全なものとなる」という評価を
GRU(ロシア軍参謀本部諜報総局)が行い、
日本政府がロシアを標的としたMDシステム強化に貢献したいという、
意図を持っているか否かについて、探りを入れているのだ。

本件はロシアとの取り引き材料になる。
ロシアのメドベージェフ大統領は、
北方領土における軍の近代化を指示した。

エリツィン政権時代に、
北方領土から正規軍はすべて撤収し、非軍事化が達成された。
その後、北方領土に駐留するのは、
正規軍の指揮命令系統に属さない国境警備隊だけであるという状況を、
2011年にメドベージェフ大統領が変更したのである。

これに対して、日本は有効な対応ができていない。
1月末に予定されているラブロフ露外相の訪日で、
ロシア側が武器輸出三原則緩和に関連した問題を
取り上げる可能性がある。
これに対して、
日本政府が主たる脅威として認識しているのは中国であり、
ロシアとの戦略的提携が可能であることを伝えることが適切と思う。

武器禁輸三原則の緩和に対するロシアの懸念を踏まえ、
北方領土の非軍事化を実現する取り引き外交が可能になる。


http://blogos.com/article/28284/


ロシア下院選での
大規模不正疑惑に抗議するモスクワの反政権デモは24日、
参加者が主催者発表で13万人と今月10日の前回デモを上回った。
ソ連崩壊後で最大となる反政権運動のうねりが続いていることが
浮き彫りになった形だ。
メドベージェフ大統領は前回のデモ以降、
政治制度の民主化方針を示したが、
デモでは政権側の「口約束」に終わるのではとの懸念が渦巻いていた。

モスクワ中心部のサハロフ大通りを、
デモに参加する老若男女が埋め尽くした。
人々は抗議運動のシンボルとなっている白いリボンを衣服につけ、
白い風船やカーネーションを手にした人も目立った。

「前回デモでわれわれが要求した政治犯の釈放も、
票の再集計も実現していない」
「新年をロシア政治の転換点にしよう」。
演壇からの呼びかけに参加者らは力強く呼応し、
「プーチン(首相、前大統領)なきロシアを」と気勢を上げた。

前回のデモを受け、
メドベージェフ大統領は22日の年次教書演説で、
プーチン前大統領時代に廃止された、
知事選挙や下院選小選挙区制度の復活といった改革方針を表明した。

ただ、24日のデモ参加者からは
「メドベージェフはこの4年間、
改革を約束しながら何もしてこなかった」(27歳、男性技師)
といった声が多く聞かれ、
政権の表面的な“ガス抜き”には現時点で効果が表れていない。

プーチン首相が15日のテレビ放送で、
反政権デモが「外国の資金援助」を受けていると述べたことは
逆に参加者の憤りを招いており、
男性団体職員(44)は「われわれを侮辱している。
これからもデモに参加する」と話していた。

この日のモスクワのデモは10日と同様、
1人も拘束されることなく平穏に終了した。
都市部では政権に対する不満を持つ人が急増しており、
大規模な反政権デモを弾圧することはもはや不可能だ。
来春の大統領選でのプーチン首相再選は確実視されているが、
不満がくすぶる中で
次期政権運営が順調にいくかは不透明になりつつある。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111224-00000595-san-int


2011年12月4日、ロシアでは下院選挙が行われた。
来年の大統領選挙の前哨戦ともみなされてきた選挙だが、
与党・統一ロシアは選挙前から苦戦が予想され、
体制側はなりふり構わぬ選挙戦を繰り広げた。
さらに、選挙のプロセスでも多くの不正が報じられ、
国内外からは多くの批判が出た。

「不正選挙」の結果、統一ロシアは、大きく議席を減らし、
目標としていた憲法改正に必要な、
3分の2の議席には遠く及ばなかったものの、
過半数の議席をかろうじて維持することができた。

しかし、ロシア国民は、不正選挙とその弾圧的な政府の姿勢、
さらにメドヴェージェフ大統領との「ポスト交換」をして、
来年大統領に返り咲こうとしている、
プーチン首相に対する反発を強めており、
インターネットや抗議行動などで不満を表出するようになっている。
特に、12月10日の
全国各地での抗議行動はかなり大規模なものとなった。

このような動きを「アラブの春」になぞらえて、
「ロシアの冬」と称する報道も見られるが、
筆者は、実際にはこれらの動きが
「アラブの春」的な状況にまで発展するとは考えていない。
その理由は以下のとおりである。

まず、ロシアのみならず、旧ソ連全体に言えることなのだが、
ロシア市民が政治的・経済的混乱による、
疲弊のトラウマをまだ忘れていないということがある。

20年前のソ連解体に伴い、
旧ソ連諸国は大きな政治的混乱と市場経済化の荒波で打撃を受けた。
民族紛争を経験した国々のトラウマはとりわけ大きいが、
ロシアも政治・経済の混乱やチェチェン紛争などで
国民の生活はかなり厳しいものとなっていた。

ソ連解体直前の1991年の8月クーデター、
ソ連解体後のエリツィン時代のモスクワ騒乱事件や経済危機など、
国民は多くの苦悩を経験した。
現状への不満は大きいが、
このような混乱を再び味わいたくないと考える国民は少なくない。

2003年のグルジアのバラ革命、2004年のウクライナのオレンジ革命、
2005年と2010年のキルギスの政変など、
旧ソ連諸国にもソ連解体後にいくつかの政変があったが、
それらが「民主化・自由化」へとスムーズに移行できていないことも、
旧ソ連諸国の人々の安定志向に拍車をかけているように思われる。

第2に、反プーチン運動は主に都市部で活発化している一方、
地方ではプーチンの支持率が
依然として比較的高く維持されているということもある。

第3に、プーチン氏に代わる指導者がいないことである。
一連の抗議デモでは、
プーチン氏に退陣をつきつける要求が多々出ているとはいえ、
プーチン氏に代わりうる政治指導者が不在であるという、
深刻な問題がある。プ

ーチン氏を引きずり下ろしたところで、
まっとうな指導者がいないのであれば、国の混乱は目に見えている。
それならば、不満があっても
安定状況を維持してくれるプーチン氏のほうが
マシかもしれないと思う国民が多いのも事実だという。


<プーチン 大統領返り咲きへの影響>

これらのことを鑑みると、来年の大統領選挙でも
プーチン氏が勝利することはまず確実視されている。

しかし、今回の一連の出来事、
なりふり構わぬ選挙戦と不正選挙、反政府的な言動や行動の弾圧、
そしてそれに対する大衆の抗議行動は、
今後の大統領選挙や政権運営に
大きな悪影響をもたらすことは間違いない。

さらに、その影響は経済分野にも及び、
プーチン氏と関係がある、ないし彼が構築した経済システムから
利益を受けたロシア企業の株価は、
下院選挙後、大量の売りを浴びせられ、
独立系ガス会社ノバテクを筆頭に、
プーチン銘柄の株が軒並み急落したのである。

そのような中、13日に
今回の選挙で躍進した中道左派の野党「公正ロシア」
(クレムリンが創設)党首・ミロノフ前上院議長が、
大統領選への立候補を中央選挙管理委員会に届け出た。
ミロノフ氏は、大統領選は少なくとも一度の投票では決まらず、
決選投票になることは間違いないという見解を示している。

このニュースはクレムリンにとって朗報として受け取られたという。
下院選で統一ロシアの得票率が過半数に満たなかったことから、
党首の首相も大統領選の第1回投票で
当選に必要な過半数の得票が困難になったとの見方が出ていた。

プーチンにとって本当に脅威なのは
「公正ロシア」のドミトリエワと共産党のジュガーノフであり、
「公正ロシア」がミロノフを立てたことで、
プーチンが大統領選で
3位の憂き目にあう可能性が減ったといわれているからだ。

なお、今年9月にロシアのリベラル系政党「正義」の党首を解任された、
ロシアの長者番付3位の富豪・プロホロフ氏も12日に、
大統領選挙への立候補を表明しているが、
政治的影響力は少ないと見て良い。


<デモは米国の策謀?>

そのような中、プーチン氏は事態を取り繕うために、
大衆の抗議デモは米国務省の策謀だと主張し始めた。
確かに、クリントン米国務長官は、
選挙の施行方法について深刻な問題が懸念されるため、
きちんとした調査を求めると12月5日に主張していたが、
プーチン氏は、8日に国営テレビで、そのクリントンの発言こそが、
米国務省の支援を受けている反政府勢力に対して
行動を開始させる合図だったと述べ、
外国からの干渉から
ロシアを守らねばならないとまで発言しているのである。

当局は、選挙前から
統一ロシアのやり方に批判的だった独立系の選挙監視団体、
「ゴラス」に強制捜査を行ったり、パソコンを押収したりしているが、
「ゴラス」が欧米の支援を受けていることを特に批判しており、
欧米勢力がロシアの反政府的運動を煽動しているというシナリオを
確立することに躍起になっているのである。

ゴラスが欧米からの資金提供を受けているのは事実だが、
同様に欧米の資金援助を受けているという、
レッテルを貼られている野党やデモの組織者は、
当局の主張を被害妄想だとして一笑に付している。
ちなみに政治活動のために
外国から資金供与を受けることは、ロシアでも違法である。

確かに、2003年のグルジアのバラ革命や
翌年のウクライナのオレンジ革命においては、
米国の関与があったことは間違いない。
しかし、その事実に乗じて米国にデモ発生の責任をなすりつけ、
自己保身を図るプーチン氏には
かつてのカリスマ的指導者の貫録はもはやない。


<メドベージェフの不正調査命令>

メドヴェージェフ大統領は、
欧州安全保障協力機構(OECE)や米国からの
不正選挙に対する調査を求める声と国民の反発を受けて、
12月11日に自らのフェイスブック上で、
不正が指摘されている全ての投票所での
調査を実施するよう命じたのである。

その中でメドヴェージェフ氏は、
国民は自分の意見を表明する権利を持っており、
それが法律の枠内で実現されたことは喜ばしいが、
集会でのスローガンには賛同できないとも表明している。

なお、メドヴェージェフ氏が
フェイスブックを利用したことについては、
デモ隊がインターネットのフェイスブック、ツイッター、
ブログなどのSNSを主たる連絡手段としていることから、
デモ隊への直接的アピールの意図があるとも考えられている。

だが、このメドヴェージェフのアピールへの反応は、
まさに彼の権威の失墜を証明するものとなった。
メドヴェージェフの書き込みに対し、
「メドヴェージェフって誰だ?」という書き込みが殺到したのだ。

それでもメドヴェージェフ氏は、
13日に野党や国民の反発に理解を示す発言をし、
21日に下院を初召集することも発表した。

その際、大統領は、
下院選挙で野党が議席を増やしたことで、
今後、下院の重要な委員の多くは
野党が支配することになるという見解も述べたが、
実は、ロシアでは行政における大統領の権限が強いため、
国政には大きな影響は出ない模様だ。

そして、この場に及んでもなお、
首相サイドは不正を過小評価する発言をし、顰蹙を買っている。
12日に、プーチン氏の報道官のペスコフ氏が、
不正投票はあったとしても全投票の0.5%程度であり、
仮に本件が裁判で争われることになっても、
選挙の正統性は担保されるはずだと述べたのである。

ちなみに、チャイカ検事総長は、
一定の不正があったことを認めつつも、
投票のやり直しや再集計を行うまでの根拠はないと述べている。


<政権主導の集会でデモに対抗>

体制側も、政治集会によって対抗姿勢を見せた。
12日に、「統一ロシア」が
主モスクワ中心部クレムリン脇のマネージ広場で集会を主催し、
首相を支持する青年組織「ナーシ(友軍)」や「若き親衛隊」など、
約2万5000人が参加した。
次期大統領選でプーチン首相を当選させることが
ロシアの安定的発展につながることなどが訴えられた。

今回の選挙結果の責任を負わされたのが、グリズロフ下院議長だろう。
彼は、2期8年間、下院議長職を務めていたが、
14日に下院議員の当選を辞退することを明らかにした。

彼は「下院議長を2期以上務めても
違法ではないが、正しくない」と述べている。
しかし、それならば最初から立候補しなければいいだけの話であり、
引責辞任と見られている。

当初、下院選挙の結果が良くなかった場合、
メドヴェージェフ大統領の
首相へのスライドが取り消されるなどの引責行為も想定されていたが、
それは今のところ、実現していない
(ただし、今後の状況次第で、そのようなシナリオも実現しうる)。


<ついに飼い犬たちも反旗を……>

ここにきて、
ついにプーチンの飼い犬たちもが反旗を翻すようになっている。
プーチン首相の腹心の一人である、
クドリン前財務相、聖職者、メディア、中間層である。

クドリン氏は、ポスト交代を発表したメドヴェージェフ氏に
反旗を翻して辞任に追い込まれていたが、
プーチンの腹心であったため、実はそれもポーズで、
下院選挙の結果、メドヴェージェフ氏が引責辞任に追い込まれ、
クドリン氏が首相になるのが
本命なのではないかということすら囁かれていた人物である

彼は、選挙後に、
野党によるチューロフ中央選挙管理委員会委員長の辞任要求を
「正当だ」と支持する一方、
政権に近いリベラル派や企業家を結集する新党創設の必要性に言及し、
自身も参加する用意があると述べた。

それは、現在の下院から排除されているリベラル派を取り込んで
プーチン氏中心の政権を支える狙いがあると見られていたが、
そうとも言えなさそうだ。

15日になると、今回の選挙は不正であったと批判したうえで、
しかるべき人がきちんと責任を負うべきだと主張すると共に、
プーチン氏の抗議行動に対するコメントを
「間違った姿勢だ」と批判し、
現実の諸問題に新しいアプローチをとるべきだとも主張した。
プーチン氏をも批判したのである。
なお、上述の富豪プロホロフ氏も、
クドリン氏との連帯を希望しているという。

さらに、これまでクレムリンの公認を受けているロシア正教会は
政治には意見を表明することはなかったが、
今回は、聖職者たちからも批判的な声が次々と噴出している。

特に、教会は、ソ連時代の弾圧の記憶がまだ生々しく、
共産党の再来を危惧していることから、
与党に対しては、ずっと寛容であったのだが、
今回ばかりは、聖職者の間でも、キリスト教徒として、
嘘、特に何百人もの人々に対する嘘に
抗議するべきだという機運が高まっている。

国民の不満があまりに高まる中、
教会もその批判を抑え込めないと判断し、
聖職者の発言も黙認していると言って良い。


<報道の自由はまだ容認されず>

メディアにも変化が訪れている。
下院選挙前や直後は、不正疑惑の報道は、
主にインターネットや新聞で行われ、
政権の支配下にある三大テレビは抗議デモについて報じなかった。

しかし、運動の高まりをテレビも無視できなくなり、
10日の大規模な集会をトップニュースで報じたのを皮切りに、
選挙の不正の映像も放映し始めた。
さらに、プーチン氏の抗議行動は米国が煽動したものだとする発言も、
その発言が非現実的であることを示唆する編集となっていたという。

だが、自由な報道を容認する空気はまだ醸成されていない。
たとえば、13日にはロシア有力紙のコメルサントが発行する週刊誌、
「ブラスチ」のコワリスキー編集長が、
同紙発行元の大株主である富豪ウスマノフ氏により更迭されたと報じた。
発行元のクドリャフツェフ社長も13日に引責辞任した。
12日発行の同誌の最新号に掲載された、
プーチン氏を揶揄した不正選挙に関する記事が原因とされている。
その他、コメルサントを傘下に収める、
同名持ち株会社の社長も解任された。

最後に、今回の抗議行動の担い手が
プーチン政権で経済的恩恵を受けたはずの
都市部の若い中産階級だということも
プーチン氏にとって大誤算であったといえる。

以前のように
一部のインテリが政治行動を起こしているのとは持つ意味が異なり、
特にプーチン時代に豊かになった者の反発のうねりは
プーチン氏にとって大きな衝撃だったという。

モスクワの調査機関「戦略発展センター」のドミートリエフ所長によれば、
2010年頃からモスクワをはじめ各都市で政府に敵対的な住民が、
特に若者の間で出現していて、
その傾向が特にクレムリンの周辺約16キロの地域に
集中して居住する約500万人の間に見られるのだという。


<追い詰められるプーチン>

このように、プーチン氏はいよいよ追い詰められた感がある。
それでも、15日の国民との直接対話で、
彼が下院選のやり直しには応じないこと、
メドヴェージェフ氏を次期首相にする考えに変わりがないことを表明し、
野党との対決姿勢を強めている。
他方で、インターネットや抗議行動における政権批判を非難し、
政治は選挙に基づくべきだという持論を展開した。

また、冤罪とみなされているものの、
脱税などの容疑で服役を強いられている石油大手ユコス(破産)の
元社長・ホドルコフスキー氏から恩赦の依頼があれば、
大統領に復職した折に検討すると述べた。

ホドルコフスキー氏は、
ロシアの非民主的、反人権的体質の象徴となっており、
欧米諸国から深刻な人権問題として度々批判を浴びてきた問題であり、
プーチンが限定的にも
欧米に対してアピールをしようとしている様子が見て取れる。

かつての飼い犬たちも反旗を翻し始めた今、
プーチン氏は崩れそうな権威を何とか維持するために、
内外に強面の姿勢を貫き通す一方、
様々な妥協をしつつ今後の対応に苦悩しているといえそうだ。


http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1638


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